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おすすめの図書

セクシュアルマイノリティ(LGBTQ+など)について知りたい、
LGBTQに関する図書を読んでみたい。
ここではスタッフのおすすめ本の紹介と、SHIPで読める本を
調べることができます(蔵書検索は準備中です)。

スタッフのおすすめ図書

『オレンジだけが果物じゃない』

(作)ジャネット・ウィンターソン、(訳)岸本佐和子 / 2011 / 白水社

カルト系キリスト教の養母を持った主人公ジャネットは、宗教家としての英才教育を受けて育った。母は絶対的で時に狂気的存在だったが、ジャネットは女性と恋愛関係を持つことで自分の居場所であった母や教団から全否定され、それをきっかけに自立していくという自伝的小説。途中途中に寓話が挟み込まれているが、だんだん現実と寓話が混ざっていく、という概要です。

モチーフにしている題材は、私の知識不足で何を象徴しているのか取りづらいことがありましたが、面白い作品でした。文庫帯、エッセイ等でも大活躍されている岸本佐知子さんの翻訳で、概要のボリュームの割には読みやすいと感じました。

2024/07/15 レビュアー:ほたるいか

『マリはすてきじゃない魔女』

柚木麻子 / 2024 / エトセトラブックス

「LGBTQでも、あなたはいい人だから受け入れてあげる」
面と向かって言われたことはなくとも、そのようなニュアンスの善意を向けられたことがある。そして知らずに、自分もまた「受け入れられるために、皆と同じだって示さなきゃ。皆にとっていい人にならなきゃ」と過剰に「イイヒト」を演じてしまうことがある。

主人公のマリは魔女っ子。人間と共生するために、「人のために魔法を使うのが素敵な魔女」という価値観が街を支配しているが、マリは違う。大好きなドーナツを大きくしたり、髪や目の色をお洒落に変えたりと自分のために魔法を使うのだ。自分のために魔法を使おうよ!魔女だってありのまま、もっと自由に気楽に生きていいじゃん!そんなマリのパワーが、やがて街の人々にかけられた「誰かのために素敵でいなきゃいけない」という呪いを打ち破って…というお話。

マリにはお母さんが2人いたり(ビアンのパートナー同士)、友達がトランスジェンダーの女の子だったりと、クィアな面々が当たり前に登場し受け入れられているのもいい。

同じ作者の「らんたん」や「ナイルパーチの女子会」も、素敵なシスターフッドのお話しでオススメ。

2024/06/17 レビュアー:ひじりぃ

『ピンクはおとこのこのいろ』

(文)ロブ パールマン(絵)イダ カバン (訳)ロバート キャンベル / 2021 / KADOKAWA

「ピンクは男の子の色?どういうこと?」そんなふうに思ったあなたにぜひ読んでほしい。思えば、小さい頃から、おもちゃ、洋服、ランドセル、身の回りの物の種類や色に勝手に「男の子のもの」「女の子のもの」そんな意味合いがくっつけられていた。この絵本は、ページをめくるたびに、カラフルで、とっても楽しい気持ちになれる。勝手に「男の子の色」「女の子の色」と決めつけられた事にもやもやしていた、あの頃の自分と一緒にながめてみたい、そんなふうに思った絵本。

2024/05/20 レビュアー:蒼

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