nao / レズビアン
高校の頃、自分が信頼していた男の先生が、授業中の雑談の中で「僕は〇〇先生(男の先生)と仲はいいけど、そっちの趣味はないですからね!」と言って、みんなの笑いをとっていたのをみて、その場にいるのが苦しかったです。その時は誰にもカミングアウトしていなかったから、その笑いは私自身に向けられたわけではなかったけど、「同性が好きって言ったら、みんなああいう反応するんだろうな」と思って悲しくなりました。その後、仲のいい親友にカミングアウトして、分かってもらった後は、同じような場面があっても、その後で友人から「ああいうのやめてほしいよね」と気づかってもらえたり、自分からもグチを言えるようになって、だいぶ気持ちは楽になりました。(ホントはそういう場面自体、なくなってほしいですけど)
ノエ / FTX(ノンバイナリー)
「スカートを履かないと受からない」という噂(もう10年以上前のこと)を聞き、就活中はスカート・ストッキング・パンプスで受験しましたが、就職後は襟のあるシャツにパンツスーツなどで通して来ました。 先輩や上司から、遠回しに女性のオフィスカジュアルや化粧を勧められますが、「いつも同じパターンの方が楽なので」「肌が痒くなっちゃうので」など、申し訳なくも、のらりくらりとかわし続けています。 以前、友達と出かけた際、お店の人に敏感肌用化粧品を試してもらったこともありましたが、すぐに赤痒くなってしまったので、多分、ストレスなのだろうと思っています。
ハッチ / FTX(ノンバイナリー)
小学3-4年生の頃、男の子達と「たんけんごっこ」ばかりしていたことがありました。最初は男の子のグループに混ぜてもらえるのが嬉しくて張り切っていましたが、他の男の子が出来るように蜂の巣に石が投げられなかったり、性的なからかいに対応出来なくなり、一緒に遊べなくなってしまいました。 まだ、性別違和を明確に自覚する前のことでしたが、男の子達が羨ましくても、男の子の振る舞いに上手く馴染むことが出来ず、悲しかったことを覚えています。
Neon / ノンバイナリー
私は性別違和があり、自分のことを女性だと思うことができません。髪型や服装について、周りの人に「男性よりカッコいい」などと言われると、その発言に悪意がないのは分かっていても、あくまで私は「女性」カテゴリーなのだ、とどうしても気持ち悪くなってしまいます。褒められるだけなら「まあね!」と笑って受け流せますが、その流れから「髪を伸ばしたことないの?」などと訊かれると、もはやユーモアに回避する道も分からず、この人とは会話したくないな…と思ってしまいます。
さくP / ゲイ
勤めている会社で、労働組合の委員をしていた時に、会議の休憩中、若手の男性社員の「会社の男子同期とよく旅行に行く。これからも続けていきたい。」という話に、私より年長の方が「部長になっても続けていたら、”ホモ部長”って言われるぞ!」という発言をして、その場のみんなが笑い盛り上がったというシーンがありました。私は職場でカミングアウトしているので、その場にいた人達は私がゲイであることを知りながら性的マイノリティを揶揄する発言をしたと思われます、しかも、私と彼らの関係性から推測して「悪意なく・・・。」です。わたしはこのシーンではあまりの衝撃でスルーしてしまったのですが、後々、この事柄と向き合うことになりました。
なおき / ゲイ
30代になり学生時代から付き合いのある友人達の中で結婚する人が増えて、結婚式に呼ばれることが多くなりました。結婚式に出席すると、友人がパートナーと供に、家族や親しい人、職場の人達等に祝福されて未来に向かって歩んでいく姿に感動し応援したくなります。ふと我にかえると、結婚の権利を認められていない同性愛者の自分には、好きな人と一緒に安心して暮らしたり、子供を育てたり、新しい家族を築くことを社会的に祝福されていないのだなぁと疎外感を感じてしまいます。どんな人生を選択するかは個人の自由ですが、選択肢すら与えられていないのは個人が尊重されていないし不平等だと思い悲しくなります。
ゆうた / ゲイ
思春期になると男友達との会話のなかでどんな女の子がタイプなのか話題になることがありました。男友達は楽しそうに自分が好きな女優さんやアイドル、クラスの女友達を挙げています。自分の番が回ってきた時、本当は異性に惹かれないけれど、話を合わせる為に有名な女優さんの名前を言ってその場を凌いでいます。また、「彼女いるの?」という質問も同様に、異性愛が前提の社会(男性は女性と付き合うもの)なんだと感じ、自分の存在自体があってはいけない様な気持ちになり悲しくなります。
ざき / ゲイ
自分はゲイで結婚する気がなかったのだが、職場の上司や仕事で関係した方からお見合いを勧められたことが何度もあった。自分のことを気にかけてくれてくれるのは嬉しいけど、どう断っていいのか結構悩んだ。「いま付き合っている人や気になる人がいます」と丁重に言って断ったケースが多かったが嘘をついているようで後味の悪いものだった。一度だけどうしても断り切れずに女性とお見合いしたことがある。相手に対してたいへん失礼なことは自分だけはわかっていて本当に気が重かった。当日は努めて明るく振舞うようにしてそれもたいへん実は苦痛だった。結局相手の方が自分を気に入ってくれなかったが、今思い出しても気が滅入る。ありのままの自分を自分自身も周囲も社会も認めてくれる時代になるまでこうした苦悩は繰り返されるのだろうか。
奏太 / トランスジェンダー 女→男
普段は男性として働いており、同僚には女性で生まれたことを話していません。そのため、トイレで困ることがあります。立って排尿できる道具も買ってみましたが、実用的に使うことはできませんでした。結局、職場でトイレを使う時は個室のトイレを使用しています。いつも個室のトイレを使用しているため、他の男性社員から変に思われていないかな?と気になってしまいます。なるべく利用する人が少ないトイレを選んだり、みんなが休憩している時間を避けたり、気楽にトイレに行けないことが辛いです。ちょっとしたことなのですが、日々のことなのでストレスに感じてしまいます。
しんや / 男性の同性愛者
私は会社でも一部の人には自分のセクシュアリティを伝えたりしており、困った出来事はないのですが、傷ついたことはあります。私に直接ではないけれど、隣の席の既婚女性が「男同士とか気持ち悪い」とボソッと呟いたことを、今でも覚えていますし、社会人のサークルで、一般の男性同性愛者を馬鹿にするような物言いの指導があったり、部員同士の会話の中でもそのような会話があったと思います。また、職場の社長に伝えたこともありますが、「理解はできないけれど・・」という枕詞がありました。尊重してくれれば、理解してもらう必要はないというのは頭では分かっているのですが、実際に口に出されると複雑な感情になるのだなとその時思いました。しかし、「差別は無理解から始まる」とかいうし、言葉は難しいですね。。