黄昏の彼女たち(上)(下)
2024.09.16
第一次世界大戦で父と兄を失い、母と二人でロンドン郊外で暮らす、元上流階級の主人公フランシス。
生計のためやむを得ずバーバー夫妻に部屋を貸したことから、徐々にバーバー夫人ことリリアンと距離が近づいていき、そんな中でとある事件が起こります。
上巻はドロッドロな恋愛模様で、下巻からは一気にミステリー小説の展開になっていきます。
誰もが自己の正当性を見つけようとしていたり、いやらしい部分を持ち合わせて生きているということがよく描かれており、
いい意味で(?)登場人物の誰にも感情移入できないままに物語が展開していくのが面白さかなと思います。
また後日、漫画家の萩尾望都が自伝で著者の名前を挙げているのを見て、何らかの影響を受けているのかな、と感じました。