メニュー

おすすめの図書

セクシュアルマイノリティ(LGBTQ+など)について知りたい、
LGBTQに関する図書を読んでみたい。
ここではスタッフのおすすめ本の紹介と、SHIPで読める本を
調べることができます(蔵書検索は準備中です)。

スタッフのおすすめ図書

『プリンセス・トヨトミ』

万城目学 / 2011 / 文春文庫

15年前の大ヒット作。映画にもなったのであらすじをご存知の方も多いでしょう。ある日、大阪が全停止するハチャメチャストーリーで、エンターテイメント作品として完成してます。

実はこれ、堂々としすぎてるけどマイノリティ作品ですよね。検査院じゃない方の主人公、大輔。女の子になりたいって毎日お祈りして、それじゃ変わらないからとセーラー服で学校に行くって決意して、そして壮絶にイジメられる。

15年前、世界は確かにこんなだった。大輔は結局「男」が「女」になるって構図だったけど(そうじゃないとストーリーが噛み合わないしね)、でも今だったら「なる」じゃなくて「本来」女なんだって思えるのかもしれない。今もセクマイに辛さはあるけど、こういう先輩たちの、それこそ人生をかけた戦いの上に成り立ってる。

今日もそこで戦ってる君に言いたい。ありきたりだけど、君は1人じゃないよ。

「ああーー、私まで緊張してきた」

「自分が大事やと思うものは、自分で守れ」

「おっちゃんもおばちゃんも、知らんとこでアンタのために戦ってんねんで」

「はよ、好きなときに着られるようになったらええな」

 

それでも孤独になったら、SHIPにきてください。

2025/11/21 レビュアー:パフェねこ栞

『9月1日の朝へ』

椰月美智子 / 2025 / 双葉社

すみません、LGBTQの枠、超えちゃいました。全ての若者、そして全ての大人に読んで欲しい、悩める家族のお話。

ルッキズム全開の友も含め周囲への優しさの塊のような智親。ストレートな言動で急にいじめの対象になった民。メンタルマッチョの善羽を襲う哀しい現実。そして性別がわからなくなったけどとりあえず「自分」に素直に生きようとする武蔵。

個性だけでもみんなバラバラ。感じ方も、ぶつかる壁も、みんなバラバラ。苦しさとか比べてもしょうがなくて、みんな辛い経験から学び、成長し、そして素敵な人になっていく。

性別なんてさ、その程度のもんなんだよ。本人にとっては今、それが一番深刻な問題で、それでイッパイイッパイなんだけど、でも、性別に悩みが無い人も性別以外の事でイッパイイッパイだったりするわけで、それって別に特別でもない普通のことじゃない?

大事なのは、そこから自分を見つけ、精一杯生きていくこと。そして、そういう人たちを大事にできる人になること、なんじゃないかなと思える、思ってほしい、そんな一冊。

2025/10/17 レビュアー:パフェねこ栞

『先輩はおとこのこ』

ぽむ / 2021 / 一迅社

まこと(男の娘)とりゅーじ(♂)と咲(♀)の3人の高校生活恋愛コミック。同名アニメと映画の原作。念のため男の娘とは、何らかの理由と意思で女の子の格好をしている男子を言います。性自認が女性の場合は女の子になるので基本は男性自認なのでしょうが、悩み、揺れる方も多いように思います。

本作は元々、縦読みコミックで泣きながら読んでいた作品で、今は紙媒体でも出ているのですが、若干紙だと間延びした印象もあるので、もし電子でもいいよという方は電子媒体縦読みがよいかもです。

LGBT未満で揺れ動く思春期を切り取った作品なので、性別で揺れてる方が読めば作中の誰かには「そうそう!」ってなれる場面がある気がします。個人的には3人が3人ともに素敵すぎていつ読んでも鼻血が止まりません。

とは言えフィクションですから。夢は与えてくれるけれども。現実はこんな外見整った人たちみたいにはなりませんよ。なんですけど、内面は彼らみたいに真っ直ぐでありたいと思うし、みなさんにもその気持ちを忘れないでいただきたいと願います。心の背筋を正したい時にどうぞ。

2025/09/19 レビュアー:パフェねこ栞

おすすめ一覧