『プリンセス・トヨトミ』
15年前の大ヒット作。映画にもなったのであらすじをご存知の方も多いでしょう。ある日、大阪が全停止するハチャメチャストーリーで、エンターテイメント作品として完成してます。
実はこれ、堂々としすぎてるけどマイノリティ作品ですよね。検査院じゃない方の主人公、大輔。女の子になりたいって毎日お祈りして、それじゃ変わらないからとセーラー服で学校に行くって決意して、そして壮絶にイジメられる。
15年前、世界は確かにこんなだった。大輔は結局「男」が「女」になるって構図だったけど(そうじゃないとストーリーが噛み合わないしね)、でも今だったら「なる」じゃなくて「本来」女なんだって思えるのかもしれない。今もセクマイに辛さはあるけど、こういう先輩たちの、それこそ人生をかけた戦いの上に成り立ってる。
今日もそこで戦ってる君に言いたい。ありきたりだけど、君は1人じゃないよ。
「ああーー、私まで緊張してきた」
「自分が大事やと思うものは、自分で守れ」
「おっちゃんもおばちゃんも、知らんとこでアンタのために戦ってんねんで」
「はよ、好きなときに着られるようになったらええな」
それでも孤独になったら、SHIPにきてください。
2025/11/21 レビュアー:パフェねこ栞