
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』
涙無しに読めない。タイトルからしてどこぞの浅いラノベのような雰囲気がするけど、それで手に取ってないっていうちょっと前の私みたいな人がいたらもう、その人の手を取って押し付けちゃうくらいの本。いや、ラノベをディスってるんじゃないです、そうじゃなくてタイトルで内容を邪推しちゃってる人、という意味です。
私は残念ながら主人公やその他登場人物とは指向が異なるので、根っこの部分でどう思うか、感じるか、その機微やリアリティはわからない。でも隠すとか、普通を装うとか、言ってない自分が悪いとか、自分なんで生まれたんだろうとか、この人のこと好きなんだけどその好きと欲しい好きが違いすぎて切ないとか、押し寄せる悩みの洪水には共感しかない。
今まさに絶賛悩み中で生きづらいと感じているあなた、マイノリティの頭の中が覗いてみたいあなた、そして全て悟って懐かしく過去を振り返りたいあなたに。
あ、描写のオブラートが少々弱めなので、それだけお気をつけくださいね。(『腐女子、うっかりゲイに告る』というタイトルで映像化もされました。)
2025/07/11 レビュアー:パフェねこ栞